日本の魚介

うに

ウニは漢字で海胆、海粟、雲丹などの文字があてられている
。栗のイガのようなトゲをもっているので、海粟となったのであろうが、雲丹と書く場合は生物でなく、食用となる卵巣、またはその加工品を指すようである。別名をカセ、またはガゼと呼ぶが、主に東北地方の呼称である。

ウニの体は、小さな石灰質の板が組みあってできた球形の殻でおおわれ、その表面にたくさんのトゲが生えている。口は体の下面中央にあり、うねうねした消化管が、背面の中央につづいて、ここの小孔が肛門となっている。

表面のトゲも適当に運動するが、トゲの問の体面からは、たくさんの細い管を出して、他の物に吸いついたりして運動を起すので、この管を歩足と呼んでいる。またこれが呼吸器の役目まで具すというから重宝である。
ウニはその卵巣を食用とするので、産卵期のものでなくては役にたたない。一般にウニの身といわれているのは、つまり卵巣のことである。干潮の浜で拾ったウニを、下面の方からくだいてみると、肛門を中心として、いく筋かの卵塊が放散形にはりついている。これをわさび醤油、またはポン酢じょうゆで食べる風味は格別だ。

ウニの産卵期は、その種類によって春から初秋にかかるといわれているが、三月の声をきく頃には、早くもナマウニが市場へ出まわってくる。北海道や東北からくるものは卵巣がよく肥えていて、すしダネに多く用いられる。東京の料亭ではムラサキウニの殻をくりぬいて、その中へたっぷり卵巣を詰め、姿のまま客席へ持ち出したりする。
鮮度の高いものは、卵山果のかたまりがしっかりして、一種の香気があるが、少し古くなると、水づいてくずれやすくなる。

ウニは生で食べるばかりでなく、焼いてもおいしい。海女が海から拾いあげたばかりのものを、たき火に入れて丸焼きにし、アワビはがしの金ベラで打ち割り、熱く焼けた卵巣をとりだして食べたり、卵巣を貝殻に詰めて焼いたりする。その卵巣は種類の如何によらず食用となる模様で、俗に毒ウニといってトゲが長く、さされると非常に痛いウニ(ガンガゼの一種)があるが、紀州田辺湾の業者は、ムラサキウニやアカウニの少ないのに困ったあげく、毒ウニの卵巣を、大阪市場に送ったところ、羽が生えて飛ぶように売れたそうである。

日本近海で、ふつう食用とするものは、ムラサキウニ、アカウニ、パフンウニなどである。ムラサキウニは紫黒色でトゲが長く、各地でもっとも多く食用とされ、排卵期は六月ごろである。アカウニの排卵期は秋にかかるので、採取は七月ごろからはじまる。バフンウニはトゲが短く砂色をしている。排卵期は三、四月ごろで、雲丹の原料としては、最高といわれている。福井産のエチゼンウニは、パフンウニのことである。

加工品としては、塩雲丹、練雲丹などがあって、特に酒精を用いた練雲丹は色も美しく、独自の風味を醸成している。練雲丹の産地としては関門地方が有名である。
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